
W邸 青竹建仁寺垣/青竹枝折戸/晒竹玉袖垣
Description of the work
青竹建仁寺垣 / 青竹枝折戸 / 晒竹玉袖垣
受け継がれてきた庭に、竹のしつらえを重ねる。
もともと割烹料理店として使われていた建物を、住まいとして生まれ変わらせるリノベーションに合わせ、竹垣や枝折戸の製作を行いました。
建物には、以前から大切に手入れされてきた日本庭園が残されており、庭石や植栽、灯籠など、一つひとつに和の趣が感じられる空間でした。
今回の施工では、新しく何かを主張させるのではなく、もともとある庭の美しさをさらに引き立て、建物と庭を一つの景色としてつなぐことを大切にしています。
庭を囲う垣には、伝統的な青竹の建仁寺垣を採用しました。
竹を隙間なく立て込み、横竹を通して組み上げる建仁寺垣は、古くから寺院や茶庭、料亭などでも用いられてきた格式ある竹垣です。
外部からの視線をしっかりと遮りながらも、青竹ならではの瑞々しい色合いが庭の緑と自然に重なり、空間全体に清々しい印象を与えてくれます。
年月とともに青竹の色が変化していくことも、天然素材ならではの魅力のひとつです。
庭木や石と同じように、時間を重ねながら住まいの景色へと馴染んでいきます。
入口には、青竹の枝折戸を製作しました。
枝折戸は、茶庭などで内と外を緩やかに分けるために使われてきた、日本庭園ならではのしつらえです。
完全に閉ざしてしまう門とは異なり、その先に庭が続いていることを感じさせながら、空間をひとつ切り替える役割を持っています。
玄関へ向かう途中に枝折戸を設けることで、道路から住まいへ直接入るのではなく、一度庭を意識してから玄関へと進む流れをつくりました。
竹を組んだ繊細な意匠から差し込む光や、地面に落ちる格子状の影も、時間帯によって表情を変えていきます。
そして玄関脇には、晒竹の玉袖垣を配置しました。
玉袖垣は、玄関先や庭の一角など、比較的小さな場所に設けられる竹垣です。
今回は目隠しとしての機能を持たせながら、単なる仕切りにならないよう、晒竹を使って柔らかな存在感に仕上げています。
建仁寺垣に使用した青竹との色の違いも一つのアクセントとなり、庭全体に奥行きと変化を生み出しました。
建仁寺垣で庭を包み、枝折戸によって内と外をつなぎ、玉袖垣によって玄関まわりの景色を整える。
それぞれ形も役割も異なる三つの竹のしつらえを組み合わせることで、住まいへ入るまでの一連の景色をつくっています。
以前、割烹料理店として多くの人を迎えてきた建物。
その場所が持つ和の佇まいを残しながら、これからの暮らしに合うかたちへ。
新しくつくり変えるのではなく、そこにある庭や建物の良さを読み取り、竹という自然素材を加えることで、昔からあるものと新しい暮らしが自然につながる空間を目指しました。



















