
ランプシェード
Description of the work
竹灯 ── 闇に浮かぶ、竹の詩。
切り揃えられた無数の竹の断面が、やわらかな光を抱きしめるように配置される。
そのひとつひとつが、まるで小さな月のように淡く輝きながら、
空間に静けさとぬくもりをもたらしていきます。
このランプシェードは、竹垣職人・片岡大輔が手がけた、竹之助ならではの光の造形作品です。
素材には、一本一本、選び抜かれた良質の竹を使用。
断面の表情はすべて異なり、年輪や節、色の濃淡までもが一つの“模様”となって現れます。
それらを幾何学的に並べ、木枠に収めることで、竹の持つ自然なリズムと整然とした構造美が共存する造形が完成しました。
灯りをともせば、竹の断面が陰影を帯び、奥行きのある柔らかな光を放ちます。
その光は眩しさを抑え、見る者の心を静かに整えてくれるよう。
まるで、時間の流れさえも穏やかにしてしまうような、不思議な力が宿っています。
これはただの照明ではありません。
自然素材の命の断面に、新たな美を見出し、再構築した“静かな作品”。
竹を知り尽くした職人だからこそつくれる、竹の新しいかたち。
暮らしの中に、小さな詩を灯すような、竹之助のランプシェードです。