F宿

Description of the work

隠れ家のような中庭に、静寂を宿す竹の結界

「F宿」様にて、外構および中庭の竹垣を手がけました。細やかな手仕事と天然素材の質感が、空間全体にやわらかな緊張感をもたらしています。

外構には、風合いのある丸竹を用いた縦張りの竹垣を施工。長年の風雨に耐える構造と、清らかな線の美しさを両立させています。通路に沿って連なる竹のリズムが、滞在者を非日常の世界へと誘います。

さらに中庭には、赤松皮付きの杉板と煤竹を組み合わせた意匠垣を設置。建物内から眺めたときの景色を計算し、木漏れ日の揺らぎや苔庭との調和を重視した仕立てとしています。坪庭としての役割を超え、まるで一幅の絵画のように四季折々の変化を映し出します。

目立たず、語りすぎず、それでいて確かにそこにある。
旅人の記憶にそっと残る「風景の縁」を、竹で描きました。

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