
寺尾邸
Description of the work
寺尾邸|竹垣と袖垣の新調
年月を重ねて風化した竹垣を、すっきりとした新たな佇まいへと刷新いたしました。朽ちかけていた無双垣は、建物との調和を大切にしながら、人工竹を用いて繊細かつ美しい仕上がりに。上部の銅板もそのままに活かし、周囲の豊かな緑にやさしく溶け込むよう設計しています。
また、玄関横には程よい目隠しとなる袖垣も新設。入口にさりげない風格を添えながら、空間全体を整え、動線に品格を生む役割を果たしています。
今回の施工では、元の趣を尊重しつつ、明るく軽やかな印象へと移り変わるよう工夫しました。既存の構造を活かしながらの張り替えは、単なる「新しさ」ではなく、「継承と調和」がテーマ。素材には、耐候性に優れた人工竹を使用し、長く美しい状態を保つことができます。
そして、既存の竹垣に見られた“くたびれ”を清新な表情に切り替えることで、お住まいの印象が格段に洗練されたものとなりました。
季節の木漏れ日が差し込むたびに、整えられた竹垣が庭の景色に陰影を与え、静かにその美しさを語ります。通りがかる人の目にも、お住まいに込められた丁寧な暮らしの姿勢が伝わるような仕上がりに。
見た目だけでなく、心地よさを添える設えとして、長く愛していただける竹垣へと生まれ変わりました。